昭和アニメ話 70年代おすすめアニメ長編映画5選
1970年代のアニメ映画は子供向けからヤングアダルト向けへの分岐が生まれた転換期だった気がする。
まああれだ、鉄腕アトムを観ていた子供たちがそのまま成長していった結果だろう。
これで視聴者の年齢層が広がりはじめたわけだ。
今回はその70年代アニメ映画おすすめを紹介します。
※以下敬称略
■『どうぶつ宝島』(1971)
どうぶつ宝島は、1971年3月20日に公開された東映動画(現・東映アニメーション)製作の劇場用アニメ映画。78分。
原作はロバート・ルイス・スティーヴンソンの海洋冒険物語『宝島』ですが、登場人物が3人を除きすべて動物という子供向け作品で、とにかく楽しくとてもよく動きます。
通称は「ど宝」
自分が20代の頃のクォリティーアニメといえば、「ホルス(太陽の王子ホルスの大冒険(1968年))」「長猫(長靴をはいた猫(1969年))」と、この「ど宝」でした。
アイデア構成に若き日の宮崎駿も参加しています。
内容は子供向けですがアニメーションの動きの面白さが爆発しているエンターテイメント作品です。
海賊モノにハズレなし。見て損はないと思います。
■宇宙戦艦ヤマト(1977)
子供向けではないヤングアダルト向けアニメ映画の先駆けとなった記念碑的映画。
興行収入21億円。
当時のTVアニメの再編集版のため、お世辞にもクオリティーが高いとは言えませんが、この映画のヒットこそ日本のアニメが大量に作られて世界に旅立つ先駆けとなりました。
当時は社会現象になっていて自分も早朝から劇場に並んで鑑賞しました。
宇宙の広がりを感じる宮川泰の音楽も素晴らしい。
ちなみに下はTVのBOX。
何もかもみな懐かしい。
■さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(1978)
前作のヒットを受けて1978年8月5日に公開された。
興行収入21億円。
続編は7掛けと言われるなか異例の大ヒット。
今作はTVの再編集版ではないため前作よりクオリティーは高くなっている。
強敵と戦い次々と戦死してゆく前作からのレギュラーキャラクターたち。
当時の劇場では周囲のお姉ちゃんたちがぐすぐす泣いていたな。
ワシも危うく泣くところだった。
■ルパン三世 ルパンVS複製人間(1978)
1978年12月16日に公開されたモンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第1作。
ルパンの劇場アニメ映画は本作から始まっている。
自らを神と名乗る謎の人物マモーとルパン三世との闘いを描いている。
本作は「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明示されており、当時放送中だったTV第2シリーズの広い年齢層向け作風とは異なり、『ルパン三世 ・TV第1シリーズ』初期の作風に近づけるという意向が明言されていた。
アルバイトをほったらかして公開初日に見に行った。
もう全然子供を相手にしていないアニメ映画である。
所々に実写映画のパロディーが散りばめられ、当時のアニメとしてはそこそこオシャレな作り。
日本の実写映画ではとうてい実現不可能なアクション・エンターテイメント映画になっていた。
■ルパン三世 カリオストロの城(1979)
モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第2作。宮崎駿の映画初監督作品。
公開時のキャッチコピーは、「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない」
本当に面白かった。こんなに面白くていいのかとわが目を疑った。
公開初日に日比谷の映画館で3回連続で見た。
※当時は入れ替え制ではなかったのだ。
個人的には当時公開されたどの映画よりも本作が一番面白かった。
本作は興行的にはいまひとつだったが、のちのアニメ映画が世界へ羽ばたいてゆくきっかけになった一本だと思う。
1970年代アニメ映画を代表するマスターピース!